アジア太平洋トレードセンター（ATC）は1994年竣工、総事業費1,465億円
テナント案内。塗りつぶされた跡が悲しい。





上から見る。バブル期の設計だけあって立派な建物。
なお、ここから九州別府ゆきのフェリーさんふらわあが発着。

では大阪府庁タワーへ。建物としては実に立派。



入口。正式名称は大阪府咲洲庁舎、愛称はコスモタワー。
大阪都構想が成功していれば大阪都庁になれたのに、残念！





旧名称は、大阪ワールドトレードセンタービルディング（WTC）。
バブル期前後に大阪市が推進した大阪ベイエリア開発のランドマークとして建設され1995年に竣工。
高さ256.0m・地上55階で総事業費は1,193億円。
スカイツリーの総事業費が650億円だから約２倍だ。

だが、不便なアクセスやバブル崩壊などで大失敗。
テナントがガラガラで大阪市の部局が入って穴埋めしていたのを橋下知事（当時）下の大阪府が買い取り、大阪府咲洲庁舎となった。
このWTC移転問題で様々な議論を呼んだのは記憶に新しい。

バブル感満載のムダに豪華なロビー。





所々がテープで隠されたテナント案内が寂しい。

展望台入口





入場料は大人510円とお手頃価格。
年中無休で夜10時までだが、オープンは平日13時・土日祝11時と遅めのため注意。


展望台に登ったところ。

大阪駅（梅田）方面





難波方面





天王寺方面
中央付近のとび出たビルが2014年に竣工したばかりで横浜ランドマークタワーを抜いて日本一の超高層ビルとなったあべのハルカス（高さ300m）。
「大阪市で一番高い建物」の称号をコスモタワーから奪っていった。
このビルの真下あたりが大阪阿部野橋駅と天王寺駅。





堺方面。住宅街が並ぶ。

関西国際空港方面。
奥の山々の手前右に関空、中央は陸との連絡橋、左にりんくうタウンのランドマーク・りんくうゲートタワービルがうっすらと見える。





バブル期前後、大阪府のりんくうタウン開発に対し、大阪市は大阪ベイエリア開発を推進。
それぞれのランドマークであるりんくうゲートタワーとコスモタワーは高さを競い合い、0.1m差でりんくうゲートタワーが勝利。
両タワーは大阪府と大阪市の二重行政の象徴ともされる。

神戸・六甲山方面





神戸・明石海峡方面。左奥に神戸空港と明石海峡大橋がうっすらと見える。
大阪に限らず湾内にはムダ物件が多い。





紀伊水道方面

大阪南港。四国・九州方面を結ぶ大型フェリーが並ぶ。
ちなみに、英国人女性殺人事件の犯人は長年の逃亡生活の末、ここで逮捕された。




西日本最大級の国際展示場インテックス大阪。東京ビッグサイトの大阪版。





コミケ運営さん、コミケ混雑緩和のため開催回数増やして西日本でもコミケ開催してはいかが？

USJ（中央）と海遊館（右下）





中央の宮殿のような建物は何とゴミ処理場。
税金無駄使い物件として度々マスコミに叩かれている。





なにわの海の時空館。
2000年に開館したものの大赤字で2013年閉館と短命。
大阪を代表するムダ物件の１つ。

大阪版ゆりかもめ、ニュートラム（南港ポートタウン線）の車両基地。





コスモスクエア駅。
内陸部からの地下鉄とベイエリア方面のニュートラムとの乗り換え駅。





最寄駅となるニュートラム・トレードセンター前駅。





先の乗り換え駅・コスモスクエア駅からたった１駅２分の距離なのにわざわざ地下鉄からニュートラムへ乗り換えねばならない。
この不便さが開発失敗の主原因となった。
ここまで地下鉄が直通していればと思うと残念でならないが、お台場みたいにゆりかもめに加えてりんかい線まで通すような余裕はないもよう。

大阪中心部から直線距離10kmの好立地と立派な建物・大阪湾や大阪市を一望できる素晴らしい眺望を誇るものの、アクセスを軽視する等ずさんな都市計画によって不遇の運命を辿る羽目になったコスモタワー（および大阪ベイエリア）。

このスレをご覧の方の中には今後都市計画に携わる人もおられるだろうが、この事例を教訓としてもらいたい。

なお、このスレの画像はスマホでの撮影のため画質が劣る。
実際の景色はこの画像よりはるかに綺麗であるし、夕暮れや夜景も素晴らしい。
興味を持った方はぜひとも実際に足を運んでその目で景色を堪能し負債解消に協力してもらいたい。

以上でおわり
拝見していただきありがとう！

ご質問あればどうぞ

ちなみに、大阪観光なら関西私鉄連盟であるスルッとKANSAIが出している大阪周遊パスなどのチケットを使えばお得かつ楽に回れる